2026年1月25日日曜日

使えるかどうか、続いているかどうか

ナノゾラ適正使用講演会のために東京へ行ってきた。


最初のセッションでは、震災時における生物学的製剤の取り扱いについて、新しい知見を聞くことができた。

生物学的製剤には「過酷試験」が行われており、温度変化や振動など、どの程度の環境までなら使用可能かが検証されているという話だった。災害時はどうしても「使えないかもしれない」という判断に寄りがちだが、実際には想像よりも現実的な選択肢が残されている。

災害時、医療者は「安全側」に倒れがちだ。でも、その判断が本当に患者さんの利益につながっているのか、改めて考えさせられた。

こうした知見は、平時にはあまり意識されないけれど、いざという時に診療の幅を狭めないために、とても大切だと思う。今日の一番の“持ち帰り”は、間違いなくここだった。


そして今日のもう一つの出来事。

研修医時代に、7か月間血液内科で指導してもらった竹内先生と、たぶん10年ぶりくらいに再会した。


血液内科と聞くと、今なら「大変だった」「勉強漬けだった」と言いそうになるけれど、実際の記憶は少し違う。

確かに忙しかったけれど、それ以上に、よく笑って、楽しく、必死にがんばっていた時間だった。完璧に理解していたわけでもないし、毎日余裕があったわけでもない。でも、あの空気の中で前に進んでいた感覚は、今でもはっきり覚えている。


講演会後の立食パーティーでは、思っていた以上にゆっくり話すことができた。

近況の話や、当時のエピソードを交えながら話していると、10年という時間が一気に縮まる。指導医と研修医、という関係を越えて、同じ医療の世界を歩いてきた「続きの会話」ができた気がした。不思議と時間の隔たりは感じなかった。

あの頃教えてもらったことは、形を変えながら、今の自分の診療の中にちゃんと残っているのだと思う。


新しい知識を持ち帰り、懐かしい人とたくさん話せた一日。

東京の人混みの中だったけれど、今日はどこか、肩の力が抜けた、いい出張だった。

同期が座長を務める日、発表者は僕だった

 内科地方会から当日のプログラムを知らせるメールが来た。 今回、座長を務めるのは、大学病院時代にともに汗を流して笑いあいながら働いた同期だった。世間は狭いなと笑った。 僕はクリニックを構え、研修医や若手の先生方に混じって発表する側。一方、彼は大学に残り、教授たちと肩を並べる座長と...