2025年11月2日日曜日

「なんとなくおかしい」を信じてよかった

 内科地方会への抄録登録を終えた。

テーマは「ステロイド減量時に低Na血症が顕在化し、アジソン病の合併を認めた血清反応陰性関節リウマチの一例」。


一見、リウマチの活動性や薬剤性の電解質異常に見える中で、

「どこかおかしい」と感じて、迅速ACTH刺激試験を行った。

小さな検査だったが、それが診断の決め手となった。


アジソン病という言葉は、教科書では知っていても、

実際の臨床の現場で出会うことは多くない。

それでも、見逃さないためには、

「違和感をそのままにしない」ことが大切だとあらためて感じた。


抄録を書くたびに思う。

診療の記録は、過去の診察の整理であると同時に、

未来の診療を変えるためのメモでもある。


この小さな症例報告が、

どこかで誰かの「もしかして」に繋がればいいと思う。

先頭打者ホームランというわけにはいかなかったけれども、長崎の光の中で未来の背中を追い始めた

朝いちばんの発表が終わった瞬間、胸の奥の霧がふっと晴れた。 半年分の緊張が、出島メッセの裏口にそっと置き忘れてきた荷物みたいに、気づけばそこにない。 同じ会場では、僕より二回りほど年上の先生たちが、外来と生活のすきまから丁寧に紡いだ研究をまっすぐ発表していた。 白い光の中で揺るが...