2025年6月13日金曜日

交絡因子×媒介変数○

データセット完成。


さて、IL6阻害薬の使用がどれだけLDLに変化を与えるかという命題に答えるには単純に

LDLの変化量=IL-6阻害薬使用3か月後のLDL値-使用前LDL値

で答えが出る気がします。

しかし、IL-6阻害薬だけが、LDLに変化を与えるのでしょうか?

そうではなさそうです。


例えば「傘と長靴」の話


ある小学校で、こんな観察がありました。

 傘を持ってくる子が多い日には、長靴を履いてくる子も多い。


これだけ聞くと、「傘を持つと長靴を履くようになるのかな?」と思ってしまいそうです。

でも実際は、どちらも「雨が降っているから」ですよね。

 雨の日 → 傘を持ってくる子が多い

 雨の日 → 長靴を履いてくる子も多い

この「雨」が、交絡因子です。

つまり、「傘」と「長靴」の関係に見えて、実はどちらも“雨”の影響を受けていただけなのです。


例えば「アイスと日焼け」の話


 アイスクリームを食べる人ほど、日焼けしている人が多い。


これも「アイスを食べると日焼けするのか!?」と思ってしまいそうですが、違います。

実際は、

 暑い日 → アイスを食べたくなる

 暑い日 → 外に出ることが多くなり、日焼けしやすくなる

つまり「暑い日」が交絡因子です。


一見すると、2つのことが直接つながっているように見える。

でも実は、共通の「原因」が背後にある。

その「見えにくい原因」のことを、交絡因子と呼びます。


さて、話は戻ると。

「IL-6阻害薬を使うとLDLはあがるのか?」

IL-6阻害薬を使う→炎症がおさまる→LDLがあがる

IL6阻害薬を使う→PSLが減る→LDLがさがる


おっと。これは媒介変数(中間因子)だな。。。いずれにしても直接効果の解析が目的だからPSL変化量を含めた回帰分析で補正すればよさそうだけれども。

今日はこのへんで。

【2025年臨床リウマチ学会総会へ向けて-16】

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