データセット完成。
さて、IL6阻害薬の使用がどれだけLDLに変化を与えるかという命題に答えるには単純に
LDLの変化量=IL-6阻害薬使用3か月後のLDL値-使用前LDL値
で答えが出る気がします。
しかし、IL-6阻害薬だけが、LDLに変化を与えるのでしょうか?
そうではなさそうです。
例えば「傘と長靴」の話
ある小学校で、こんな観察がありました。
傘を持ってくる子が多い日には、長靴を履いてくる子も多い。
これだけ聞くと、「傘を持つと長靴を履くようになるのかな?」と思ってしまいそうです。
でも実際は、どちらも「雨が降っているから」ですよね。
雨の日 → 傘を持ってくる子が多い
雨の日 → 長靴を履いてくる子も多い
この「雨」が、交絡因子です。
つまり、「傘」と「長靴」の関係に見えて、実はどちらも“雨”の影響を受けていただけなのです。
例えば「アイスと日焼け」の話
アイスクリームを食べる人ほど、日焼けしている人が多い。
これも「アイスを食べると日焼けするのか!?」と思ってしまいそうですが、違います。
実際は、
暑い日 → アイスを食べたくなる
暑い日 → 外に出ることが多くなり、日焼けしやすくなる
つまり「暑い日」が交絡因子です。
一見すると、2つのことが直接つながっているように見える。
でも実は、共通の「原因」が背後にある。
その「見えにくい原因」のことを、交絡因子と呼びます。
さて、話は戻ると。
「IL-6阻害薬を使うとLDLはあがるのか?」
IL-6阻害薬を使う→炎症がおさまる→LDLがあがる
IL6阻害薬を使う→PSLが減る→LDLがさがる
おっと。これは媒介変数(中間因子)だな。。。いずれにしても直接効果の解析が目的だからPSL変化量を含めた回帰分析で補正すればよさそうだけれども。
今日はこのへんで。
【2025年臨床リウマチ学会総会へ向けて-16】