「対象者をだれにするか」が、すべてを決める。医学の研究というと、どんな薬を使ったか、どんな検査をしたかに目が向きがちですが、本当に大切なのは「誰を調べたか」という最初の一歩となります。
元気な人だけを集めて「副作用が少ない」と言っても、体調の不安定な人には当てはまらないかもしれません。最初の「対象の選び方」で、結論が大きく変わってしまうのです。それがずれてしまうと、どれだけ精密に数を数えても、どんなに立派な統計を使っても、研究結果はどこか“いびつ”なものになってしまうのです。
Epidemiology an introductionでは「測定や分析がどれだけ正確でも、誰を選んだかがずれていれば、結果はゆがむ。」僕たちが向き合うのは、一人ひとりの現実。エビデンスをつくるときにはその一人ひとりの現実をどう紡ぐか。
【2025年臨床リウマチ学会総会へ向けて-09】